よくある質問
Q1.ジェットウォッシャー(ウォッシャーディスインフェクター:WD)とは何ですか?
A1.医療機器の洗浄と消毒を自動で行う器具除染用洗浄器です。
医療機器の再生処理を自動的に行うため、より安全に再生処理の作業を行うことが可能です。
Q2.食器洗浄機で医療機器の洗浄は可能ですか?
A2.食器洗浄機は食器を洗う為に設計された物なので、医療機器の再生処理に使用できません。ジェットウォッシャーは医療機器に付着したタンパク汚れを除去するために設計された物なので、目的が異なります。
Q3.本当に細菌やウイルスなどの病原性微生物は不活性化しているのですか?
A3.はい、細菌やウイルスなどの病原性微生物は不活化しています。
ミーレジェットウォッシャーのVarioTDというプログラムを選択すると洗浄を行った後、93℃/5分間の熱水消毒を行います。
消毒とは、殺滅可能な細菌やウイルスは殺滅、殺滅不可能な細菌やウイルスに関しては不活性化(繁殖能力を奪う)という意味であり、完全に殺滅するためには滅菌処理が必要となります。滅菌をより完全にするためには、滅菌前の消毒段階で細菌やウイルスの数を減らしておくことが重要です。
Q4.ミーレジェットウォッシャーで洗浄する前の器具はどういった処理が必要でしょうか?
A4.用手洗浄や薬液への浸漬は必要ありません。
ただし、セメント・レジン・印象材やポリッシングペーストなど、硬化しやすい材料は柔らかいうちに取り除いてください。タンパク汚れが付着している状況で消毒液に浸漬したり、消毒アルコールを吹きかけたりすることはタンパク汚れが変性し、汚れが取れなくなるだけではなく、消毒・滅菌で十分な効果を得ることができなくなります。また、タンパク汚れは乾燥すると除去することが難しくなるので、乾燥させないように気をつける必要があります。
Q5.1サイクルの所要時間はどのくらいですか?
A5.VarioTDプログラム1サイクルの所要時間は、約1時間になります。
(PG8591:約75分 PG8581:約75分+余熱乾燥時間)
VarioTDは洗浄・消毒・滅菌に関して規定されたISO15883/1、2の中で規格化されたプログラムです。
※ 1 ISO15883/1 ウォッシャーディスインフェクターの一般的要件、定義、試験に関する規定
※ 2 ISO15883/2 外科手術機器、麻酔装置、容器、ガラス器具などの熱消毒を行うウォッシャーディスインフェクターの要件、試験に関する規定
VarioTDを選択した際の1サイクルの詳細は以下のとおりです。
Q6.プログラムを途中で中断することはできますか?
A6.途中でプログラムを止めることは可能です。
ただし、洗浄・消毒効果に影響する可能性があります。途中でキャンセルした場合は、プログラムを最初からやり直す必要があります。
Q7.ミーレを作動させたまま、帰宅してもいいですか?
A7.可能です。(PG8591、PG8581)
Q8.洗剤など専用品以外のものを使用してもいいですか?
A8.専用品以外は使用できません。
ミーレジェットウォッシャーで歯科用医療機器の洗浄・消毒を行うためには、その目的に適した洗剤を選ぶ必要があります。洗浄効果・安全性が確認されている専用品を使用してください。専用品は以下の通りです。
*ネオディッシャー液体洗剤:乾燥促進および洗浄後のステイン形成の防止を目的としている。1本(5L)で約70回使用できる。(69ml/回にて試算)
*ネオディッシャーすすぎ剤:器具の乾燥促進および乾燥時間の短縮、ステイン形成予防を目的としている。1本(1L)で約270回使用できる。(3.6ml/回にて試算)
*再生塩(軟水化装置用):軟水化装置に使用されているイオン交換樹脂の再生を行う。
Q9.軟水化装置・再生塩はなぜ必要なのですか?
A9.水に含まれている不純物は汚れを取り除く事を阻害する働きがあるので、不純物が多く含まれる水を使用すると洗浄効果が低下してしまいます。そういった不純物を取り除くという働きをするイオン交換樹脂が軟水化装置に使用されています。その働きによって優れた洗浄効果を発揮します。
軟水化装置に使用されているイオン交換樹脂のイオン交換の容量に限界があり、リフレッシュさせる必要があり、リフレッシュの際に再生塩を使用します。
Q13.1回で何人分の洗浄ができますか?
A13.どのような器具を洗浄するのかによって変わってきます。
ひとつの目安として、トレイスタンドを使用して洗浄した場合は、25人分の洗浄が可能です。洗浄する器具の種類や使用するバスケットの組み合わせによって、洗浄可能な器具の量は変わります。
Q14.洗浄できる器具とできない器具について教えてください。
A14.洗浄可能な医療機器の判断はジェットウォッシャーマークが基準となります。
◀ジェットウォッシャーマーク
ジェットウォッシャーマークのない器具に関しては、下記表をご参考にしてください。
※上記分類は、「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021一般社団法人日本医療機器学会」を参考に弊社にて作成いたしました。
Q15.WDマーク付きの超音波スケーラーハンドピースですが、インスツルメントスタンドに立てて洗浄することは可能でしょうか?
A15.洗浄可能です。
ただし、ハンドピース内部までは洗浄できません。ハンドピースの内部まで洗浄するためには、専用の超音波ハンドピース・チップ洗浄スタンドが必要です。
Q16.PG8591(ドライプラス)とPG8581(エコドライ)はどんな違いがありますか?
A16.乾燥原理が異なります。
PG8581は洗浄・消毒の工程が終了すると自動的にドアを少し開け、予熱乾燥を行います。PG8591は洗浄槽内部に熱風を循環させて乾燥を行います。
ハンドピースを洗浄する場合は、ハンドピース内部まで熱風が行き渡るPG8591をお勧めします。
Q17.ミーレを導入するにあたり、どんな工事が必要ですか?
A17.電気(三相200V)・給水・排水の工事が必要です。
排水に関しては、93℃の熱湯が9ℓ排水されるので、耐熱塩ビ管などを使用した排水工事が必要です。また、排水温度低減タンク(排水トラップ)の併用をお勧めします。詳細は、設置施工手順書を参照ください。
Q18.ミーレを導入するにあたり、どれくらいの面積が必要ですか?
A18.本体の横に給排水管を設置するスペースや液体洗剤を置くためのスペースが必要なので、本体横に最低350mmのスペースを設けて下さい。詳細は、設置施工手順書を参照ください。
※ミーレ本体寸法:600(W)×600(D)×835(H)